お仕事をしながらバンタンデザイン研究所に通学し、現在WEBデザイナーとフリーランスのイラストレーターとしてご活躍されている木川田みりさんのインタビューをお届けします。
───バンタンデザイン研究所キャリアカレッジに入学したキッカケを教えてください!
コロナで自分自身に時間を含め余白ができたことがキッカケです。
元々美大の進学を目指せばよかったという後悔が社会人になってから拭いきれずにいたこともあり、
現状から何か始められないかと学校を調べ始めました。
新卒からWEBデザインのお仕事もしていて、もう少し機能的なものよりもデザインやイラストを重視したものづくりもしたいと思い入学を決意しました。
───いつ頃からイラストを描き始めましたか?
幼い時から色に興味があり、色鉛筆や水彩絵の具を使って絵を描いていました。
祖父が美術大学に通っていた為、よく祖父の家に行くと絵が飾られていたりもして触れ合う機会が多かったです。
───バンタン在学中のライフスタイルやお仕事との両立をどのようにされていたのかを教えてください!課題制作するに当たり時間を工夫されたりしましたか?
学校に通っていることを職場の先輩や上司に話し、理解していただいていました。
授業のある土日に仕事が入りそうな時は調整していただいたり、周りの人に助けられた部分も大きいと思います。
───卒業された今はどんなライフスタイルをされてるか教えてください!
専属でwebデザイナーとして働かせていただいている会社さんがあるので、平日週4日は主にそちらの業務を行い、他週3日はイラストを含む個人で請け負っている仕事をこなしたり、絵を描いたりと休みを取りつつ個人的な時間に充てています。
今の働き方にちゃんと余白を作れている為、イラスト書く時間は仕事というよりかは本当に楽しみながら描いてます。
───フリーランスになられたキッカケを教えてください!
元々転職をしようと活動していたのですが、
在宅で仕事ができるという部分と、アートワークの作成に時間をとることができるという面で、フリーランスという選択をしました。
───この度「渚に咲く花」の公式HPの制作を担当をされたと伺いました!おめでとうございます!制作に携わることになった経緯を教えてください!
フリーランスになってから何度か仕事でご一緒させていただいたWEBディレクターの方経由でお声がけいただいたのが始まりです。
自分自身、映画のサイトを見るのが好きで、映画を見終わった後に見ても面白いなと思えるサイトにしたかったんです。
イラストを取り入れたサイトデザインを提案したところ快く了承いただき、映画の中でも印象に残ったシーンを絵で見せる告知サイトが出来上がりました。
ちなみにこの柿ピーと手のイラストは映画の中でも大事なシーンなんです。
───映画のグッズの制作も担当もされたと伺いました!
映画監督の方とお話していく中で、当初は映画告知HPの作成のみの予定でしたが、HPに使用した自作イラストを活かしてグッズを作成しようというお話になり、パンフレットやフライヤー、エプロンやファイルなどのグッズイラストもご依頼いただきました。
───グッズ作りで拘ったところはありますか?
映画のグッズって記念に買う方も多いかと思うんですが、普段使いもできるようなデザインがいいなと思って、ぱっと見は映画のグッズというよりかは…でもさり気なく文字も入れつつ、主人公の二人や印象的なシーンの映画の要素も入れたいと思い作りました。
このシーンのカットが横長でキレイで形に残したいなと思い、白黒になると寂しい感じになるんですが、線画だからこそできるデザインだったので選びました。梅酒のツヤ感が出ているところがポイントなんです(笑)
───制作してみての感想を伺いたいです!
実際に映画を拝見してイメージを膨らませながらイラストやデザインを作成するということは楽しく、監督や周りの方に喜んでいただけたことは自信にもなりましたが、お仕事としてイラストを描くということについてはスキルを含め今よりも突き詰めていかないといけない部分があると思います。
今後仕事を続けていく中で更にイラストもブラッシュアップさせながら、webサイトに自分のイラストを融合させて一つのデザインを作るということは自分のスタイルとして続けていきたいです。
また、今回のWEBサイト制作キッカケで出会った監督から新たにお仕事のご依頼を頂いており、監督自身のポートフォリオサイトを作って欲しいとご依頼も頂くことができました。
改めて人と人との繋がりが大事なお仕事だなと実感し今後も大切にしていきたいと思います。
───映画公開の同時期に初の単独展示会も開催されたと伺いました!展示会をやることになったキッカケ・どんな準備をされましたか?
個展を開催する半年前に、バンタンのアート&イラストコースで同じクラスだったメンバーでのグループ展に参加したことがキッカケです。
ふらっとでも観に来てくださった方々との交流や、ギャラリーで展示されることにより自分で描いた絵が自分の外にあるという感覚に興味が湧きました。
個展での展示作品を作り始めたのは2ヶ月前からと直前だったのですが、それまでは興味のある人の個展や展示に積極的に足を運んだり、本を読んだり、
頭の中にあるふわふわしたものを形にするためにはどのような手段を取ったら良いか、具体的に考える時間に使っていました。
映画のチラシやパンフ、ポスターなどを作りながら同時進行で個展の準備も出来たのでいい感じに高めあって作れました。
───個展をやってみての反響はいかがでしたか?
両親にも喜んでもらえて、来てくださった皆様に楽しんで頂けました!
わざわざ足を運んでもらうにあたりどうにかして自分の絵に対して興味なくても楽しんでもらえるような空間にしたいなと思い、来てくださった方にはステッカー作って渡したりなどちょっとした工夫をしました。
───ご自身のイラストで「自分らしさ」とはどのあたりだと思いますか?
タイトルが長いことです(笑)
文学で表現できる「言葉遊び」のような要素を絵の分野でも取り入れられないかと思い、タイトルと絵をセットでエンターテイメントで楽しめるような作品を作っています。
小説など本を読むことが好きで、このフレーズ忘れたくないと思ったら付箋を付けて読む癖があるんです。
自由帳に書いて言葉をがっちり決めてからテーマに沿って書いています。
実はタイトルが長くなったのは、個展キッカケでもあるんですが、絵だけでなく文章を読んでもらった際になんだコレ!って思ってもらって少しでも笑ってもらえるかなと思ったんです。コレはコレで新しいカタチかなと思ってます。
あと、「手」のフォルムが好きなので、全ての絵のモチーフに手を入れているのが特徴だと思います。
───バンタンでの授業が役立っていると感じる点はありますか?
自分の得意が見つかったことです!バンタン在学中に色んな人に自分が描いた絵について意見を貰う機会があって、食べ物を書く授業があった際、「木川田さんが描く食べ物がすごく美味しそう」といってもらえたことがありました。
サンドイッチを書いたのがとても好評で、みんなに言ってもらえると自分の中でこれ得意なんだ!もっとこうしよう!が確立してきて、食べ物向いてるのかな、楽しいし、色もいっぱい詰まっていて自分らしさも出し確立していくことが出来ました。
今では授業で体験したものや先生方からのアドバイスが全て引き出しに入っている状態なので、何かアイデアに困った際は思い返すことが多いです。
───入学を検討されている方がいたらバンタンをおすすめしますか?
週に一日という決して多くはない時間でしたが、自分を変化させるには十分な授業を体感できたと思います。
そういった面で、躊躇している方がいらっしゃったらお勧めしたいです。
───今後の目標を教えてください!
絵を見ていただく機会を増やせたらなとコンペに応募したりもしています。
何かのきっかけで考え方も絵の描き方も変わっていくと思うので、自分と対話しながら常に面白いことをしていたいです。
その延長で、個展も恒例行事のように定期的に続けるつもりです。
今回の取材の数日後に見事コンペに入選!
Illustration4月号で木川田さんの作品が掲載されいるのでぜひチェックしてみてください!
───最後にこれからクリエイティブ業界を目指す方へアドバイスをお願いします!
自分らしさを極めた人は最高だと思います!
木川田さんのこれからのご活躍も期待しています!
ありがとうございました!!!
【PROFILE】
木川田 みり(きかわだ みり)
1996年生まれ東京都在住。WEB制作会社に勤めながらバンタンデザイン研究所キャリアカレッジへ通学。
卒業後、フリーのイラストレーター兼WEBデザイナーとして活動を開始。映画作品のポスター・フライヤー・WEBサイトのデザインやグッズイラスト制作を手掛ける。
2022年は個展を開催しアーティストとしても活動中。第226回雑誌「illustration」のコンペ「ザ・チョイス」で入選作品に選出。
Instagram:https://www.instagram.com/sarasaranokami/