バンタンデザイン研究所 キャリアカレッジの卒業生で、現在フォトグラファーとしてご活躍されている木村華子さんのインタビューをお届けします。
───入学したきっかけを教えてください。
もともと4年制大学に入学したんですが、特にやりたいこともなく音楽の部活に邁進していたんです。その部活も全国大会まで行って一度燃え尽きてしまったんです。それまでは音楽しかやりたいことはなかったんですけど、全国大会で全国のレベルの高さにも気づかされてこれを仕事にするのは難しいなと思ったんです。
当時は就職氷河期で就職活動が始まるのが早かったんですが、部活の全国大会も終わって自分自身は燃え尽きていたので音楽からも距離を取っていて、特になりたいものとかも無かったんです。その時に美術館に行ったりコンデジで写真を撮ったりすることを趣味として軽くやっていたのを思い出して。撮影した写真をパソコンに入れて補正とかしていると凄く楽しくなってきて、そこからカメラマンへの道を志すようになりました。
───バンタンの授業はいかがでしたか?
めちゃくちゃ楽しかったです。安い一眼レフだけを買って何も知らない状態で入学したんですけどやっていく中で上達も感じられたし、興味があることをどんどん知っていくことって楽しいなと思いましたね。
───在学中はどのように過ごしていましたか?
とりあえず朝から晩まで集中して授業を受けて「あー、今日も面白かったー!」と思って帰ってましたね。大学の授業ももう少なくなっていたので写真関係のバイトもいくつかしていましたね。
───バンタンに入学してよかったことは?
カメラマンになれたことですね。やっぱりそれが一番です。
───在学中で印象に残っていることはありますか?
みんなで大阪の新世界に行って5枚1セットの連作を撮るという授業があって、その授業が今でも印象に残っています。その時に初めて「制作する」ということに触れた気がします。それまでは自分の作品を人前で発表する機会もなくて、この授業を通して写真は表現の手段の一つとしても機能するんだと気付かされました。
その時に講師からも作品発表してみたらどうと提案されてコンペに作品を出したら入賞手前までいって写真を作品にして発表することが出来ると気づきましたね。
現代美術とかが好きで大学も文学部で美術関係を学んでたんですが、絵とかは描けないのでプレイヤーになるのは諦めていたんですけど、写真を撮ることでもプレイヤーになれるんだなって。
───卒業後について教えてください。
在学中からセレクトショップの商品撮影のバイトと京都のカメラマンさんのロケアシスタントとブライダルのサブカメラマンのバイトを3つ掛け持ちしていたんです。卒業後もそのバイトを続けながら過ごしていたんですけど、半年ぐらい経ってこのままじゃあまり成長できないかもしれないなと思ってスタジオカメラマンに転向したんです。バンタンで学んでいたのでアシスタントも飛ばしてカメラマンとして週5とか週6でとにかく数をこなして撮影してたんですけど、半年後とかには週3とかに減らして大学時代のバイトからのツテで増えてきたフリーの仕事を始めるようになりました。
そのタイミングでまた作品の発表をしてみようと思い立って、もう一度学生時代にも応募したコンペに応募したら今度は受賞したんです。そこから2年ぐらいは作品を作るということに焦点を当てて動いてました。
それから雑誌関係の撮影の仕事をするようになって、そのあたりから特に営業しなくてもお仕事をいただけるようになって、そこからはフリーの仕事も忙しくなってきたのでそれを続けている形になります。今は個人のお仕事は一切お受けしていなくて企業の案件が主ですね。
──最後に、これから写真業界を目指す方々にメッセージをお願いいたします!
お仕事に出来るのかどうかなんて動く前に考えるんじゃなくて業界を目指すならまずは動き出してから考えるべきです。自分に向いているのか向いていないのかはやってみてから判断したらいいんじゃないかなと思います。
まずは動き出してみましょう!
木村 華子
京都府出身、大阪市在住。同志社大学文学部美学芸術学科卒業。関西を拠点に商業カメラマンとして雑誌や広告で活躍すると同時に、現代美術家としてコラージュ、インスタレーション、立体作品などを手掛ける。「UNKNOWN ASIA 2018」では、写真にネオンライトを組み合わせ、青い光が点灯する作品を発表。グランプリをはじめ、レビュアー賞5部門、審査員賞4部門を受賞する。
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