社会人でバンタンデザイン研究所に通学し、見事グラフィックデザイナーにキャリアシフトした津曲亜希子さんにお話をうかがいました!
―――入学のきっかけは?
もともと独学でWEBデザインを学び、2年ほどWEBデザイナーとして働いていましたが、見よう見まねで「こんなんでいいの?」と探り探りやっていたので、WEBデザイナーという肩書きはあるものの、自分のデザインに自信が持てず悩んでいたので、一度学校できちんと学ぼうと考えました。
また、デザイナーなのにイラストを描けないこともコンプレックスを感じていたので、いくつかのスクールを調べた中で、バンタンではPC操作のみならずデッサンやアナログもしっかり学べるところが良いなと感じました。他ではなかなか取り入れているスクールが無かったので、バンタンへの入学を決めました。
―――授業の様子はいかがでしたか?
今まで独学でPCスキルはできていたものの、“絵を描くこと”には漠然と苦手意識がありました。苦手意識のあるものは、自分では手を出しづらいところですが、カリキュラムで組まれているからこそやってみる機会を持てました。独学では気づけなかった自分のスキルや特長を、講師の方がきちんと見ていてくれて認めてくれる環境なので、とても嬉しい気づきとなり自信にもつながりました。
授業では、IllustratorやPhotoshopを活用したデザインも学びましたが、個人的にはコピックや絵の具を使った授業やコラージュの授業が印象的でした。パソコンの中だけで絵作りをしていると自分が想像したものを作ることはできますが、アナログはハプニングや偶発性によって新しいものが生まれていく、それが表現の幅を広げていくと講師の方から教えていただきました。実際にやってみると確かにそうで、予想もしていなかった色や形になるんです。それが自分でも面白くて、アナログでの制作は今後も続けていきたいと思っています。
―――転機になったタイミングがあったとか。
安来講師の「自分のデザイン事務所」のコーポレートステーショナリーをデザインする課題です。
出身地である藤沢市でデザイン事務所を開業しようと仮定して、いくつかのデザインを考えました。
イラスト要素とグラフィック要素どちらも取り入れて、記号・イラスト・タイポグラフィの3種類のロゴデザインを提案したのですが、思った以上に反応が良くて。安来講師からも「コンセプトがしっかりしている」「提案の幅が広くて良い」「ロゴの配置展開が面白い」などとポジティブな講評をいただきました。またその時に「津曲さんは就活しないの?」とも言っていただいたことで、これまで自分のデザインに自信がなく、年齢的にも、今から転職することに不安を抱えていましたが、今から転職という道もあるのかと一気に視野が広がりました。
―――これからデザインを学びたいという方にバンタンをお勧めしますか?また、それはどんな点ですか?
はい。バンタンの環境は自分としても得られたものが多く、お勧めです!
まずは、なんといっても講師の方々が素晴らしいです。
現役として活躍されているので、知識や技術のことはもちろん、お金やキャリアアップの仕方、仕事の取り方や、仕事への姿勢についても学ぶことができ、心構えをもってデザイナーになることができました。
また、たくさんの生徒を受け持っていらっしゃるのにも関わらず、一人ひとりと真正面から向き合ってくださる人間力というか、デザイナー・クリエイターを目指すみんなを伸ばし育てていこうという気持ちが伝わってくるコミュニケーションで接していただいた事にとても感謝しています。個々の得意・不得意を見極め、その人に合ったアドバイスをいただいたり、さらにその人が興味ありそうな展示やイベント情報を教えていただいたり…それを何十人の生徒にしているんです!大人になってからこんな環境はなかなか持てないですし、学生時代を思い返してみても、こんなにしっかりと向き合っていただいたのは、バンタンが初めてかもしれません。生徒思いの講師の方々に指導いただけたことで将来の可能性が広がりとても感謝しています。
次に授業や講演会などでのチャンスの多さです。
バンタンでは産学協同という企業様から直接案件をいただいて、作品を実際の商品などに採用いただくという取り組みがあります。(分野特性や企業とのスケジュール等の都合で実施できない可能性もあります。)私のときは、ハンドソープブランド「method」プロデュースによる、ココロが晴れる洗面台をつくるアートプロジェクト「SINK ART 展」でのハンドソープパッケージデザインと、幻冬舎のブックデザインのプロジェクトに参加し、採用いただきました。
このようなタイミングがあった際に能動的に手をあげて参加することで、在学中からデザインの実績がつくれ、ポートフォリオにも組み込むことができました。
また講演会という形でもクリエイターの方々のお話を聞ける機会があったので、そういったものにも積極的に参加するようにしていました。仕事への向き合い方や哲学のようなマインドを学ぶことができる良い機会でした。
最後に、共に切磋琢磨できる同級生ができたことです。
仕事や年齢はバラバラですが、同じ夢や目標をもった仲間ができたことで、制作課題が大変なときや就職活動、さらにはデザイナーとして活動している現在も、同じタイミングで同じ悩みを共有したり情報交換ができる仲間がいたから、大変なことも乗り越えらています。
―――さらに学ぶために2年目に進級したのですね。
アートワークを中心に学んできたので、グラフィックのスキルをもっと向上させたいと思い2年目への進級を決めました。1年間バンタンに通って、素晴らしい講師の方々に恵まれて、この環境でもっと学びたいという思いが強くなりました。今のデザインや仕事にも活きているスキル・ノウハウが増やせたので良かったと思っています。
―――バンタンで学んだことで一番役に立っている授業・経験は?
どの授業も大切な学びがありましたが、意外とデッサンのスキルがデザインの現場で重要だと感じています。
カタログなどの案件で、デザイナーからカメラマンへ撮影依頼する際の撮影ラフや、動画を制作するときの、企画段階の絵コンテなど、思った以上に絵を描くことが多いと実感しており、絵を描ける人が重宝されていると感じます。
―――就職活動について教えてください。
自分としては年齢的にもスキル的にも厳しいのかなと思っていたのですが、おおよそ10社応募したら2社程度は面接に進むことができて、思ったよりも面接に呼んでいただけて良かったです。ポートフォリオでは特にバンタンで取り組んだ制作物を採用担当の方に褒めていただくことが多く、粗削りだけど、今後成長の可能性があると言っていただけました。
結果的に3社から内定をいただくことができて、どこにすべきか決めかねていたところ、講師の方の意見も聞いて今の会社に入社を決めました。
―――現在のお仕事内容は?
入社してまだ5か月ですが、広告やSPツールやパンフレット、本の装丁など紙媒体をメインに仕事をしています。ありがたいことに人材育成をしっかりしていただける会社なので先輩のサポートをしながら日々学ばせていただいています。一日でも早く成長して一人前になりたいです。
―――グラフィックデザイナーのお仕事はいかがですか?
実際にやってみると、デザイナーってこんなに細かいところまで気を遣ってやっているんだ!と気づくことが多いです。
1mmのズレも見逃さないレベルでこだわって制作しています。
チラシ1枚を制作するのに、確かなロジックと細やかな配慮が込められていることに対して、デザイナーという職業にロマンを感じます。デザインの奥深さや、デザイナーの先輩方の職人技に日々感動しています。
―――先日、バンタンの同級生とグループ展を開いたのですね!
はい、クラスメイト4人でグループ展を開きました!
その名も「欲」展です。
それぞれ「欲」をテーマにした作品をつくり、原宿のデザインフェスタギャラリーで開催しました。
日々様々なクリエイターの方が展示をやっているスペースなので、思った以上にたくさんの方々に立ち寄って見ていただくことができて、良い経験になりました。
講師の方々にも来ていただいて、しっかりと講評をいていただきました!笑
講師の方がお見えになるとわかっていたので、最後まで緊張感を持って制作にあたりました。
さっそく第2弾をやろうという話もでているので、前回の反省も活かしつつ、こういった活動も継続してやっていけたらなと思っています。
―――最後に、これからデザイン業界を目指そうと思っている方へメッセージをお願いします。
私は就活のタイミングで34歳だったのですが、未経験でもグラフィックデザイナーなることができました。
バンタンには、真剣に向き合ってくれる講師や可能性を広げてくれる機会、切磋琢磨できる仲間がいて頑張れる環境が揃っています。社会人なので時間を捻出する大変さもありますが、頑張った分の手応えも感じました。大人になってから、好きなことにきちんと向き合う時間をとれて本当によかったです。今からやっても遅いと思わずに、ぜひチャレンジしてほしいなと思います。
これからのご活躍も期待しています!
ありがとうございました!
【PROFILE】
津曲 亜希子 (つまがり あきこ)
WEB サイト運用業務を経て、2018 年からWEB デザイナーに転身。
サイト制作、WEB ライティング、WEB 広告運用に従事。デザインの幅を広げるため、2020 年4 月 バンタンデザイン研究所キャリアカレッジ アートワーク&イラストコースに入学し、2021 年3 月に卒業。同年4 月より同研究所グラフィックデザインコースに在学し、2022 年3月卒業。
現在、株式会社ピストにてグラフィックデザイナーとして活躍中。