23.11.15 24.03.29 更新

【卒業生インタビュー】株式会社a b o v e u 代表 

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東京校

バンタンデザイン研究所 キャリアカレッジの卒業生で、

 

株式会社a b o v e u 代表 徳田 阿希さんのインタビューをお送りします。

 

 

 

 

──バンタン入学前のご経歴を教えてください

 

かねてからファッションは大好きで、大学卒業後の進路もドメスティックブランドへ進みました。7年間で12店舗の不採算店舗の立て直しや、店長職マネージャー職なども経験し、グループの中の3650店舗の中で最優秀店舗に選ばれたりもしたこともあります。その時に達成感を感じたことや、ファッションも好きでしたが、人と関わる事も大好きだったので、その後は「人の活躍を支える方向」でも活躍を目指したいと考えて、IT人材のヘッドハンティング会社に勤めました。

 

 

──すごいご経歴ですね。今のご活躍に近い、ファッションの道からは一度離れられたのですか?

 

はい。ですがITの方は少しの期間で辞めてしまいました。ファッションという言葉って《流行》という意味もありますし、もし「新しい時代」ってなった時に、きっとアパレルも今までの形や、扱われ方が変わってくるというのを想像していたので、その中に必要になってくるのがITなのだろうなというのはずっと思っていたのです。全然ITとかエンジニアという言葉も分からなかったのですが、今後のキャリアや活躍に繋がると考えて、そのままITエンジニアのヘッドハンティングの会社に入ってみたのです笑

 

 

その会社の社長さんはすごく良い方でしたし、たくさんのチャンスや活躍の場も頂ける環境ではあったのですが、私自身マネジメント経験はアパレルブランドの時に250人くらいもやっていたし、人の活躍や環境を支える仕事内容は本当にやりがいがあったのですが、IT人材のお仕事では会社と人を繋ぐ中で、優先するべきが「その人にとっての働く環境や活躍の場」の最善に考えたくても、その人を支払いの良い企業に紹介する事で得られる会社の利益も組織としては尊重しなければならない環境で、「私らしくないかも?」と少し疲れてしまったのです。

 

 

そんな時に、前職の頃の友人のアパレルのお店に遊びに行ったのです。

 

そこは恵比寿からも近い広尾にあって、オーダーメイドもを扱うお店で、中には職人さんもいる素敵なお店でした。その職人さんは雰囲気も恰幅(かっぷく)もよくて「the職人さん」って感じで、「俺は目を瞑っても針に糸が通せるんだぜ!」みたいな事言ってきたのを覚えています笑

 

 

それを聞いた時、純粋にモノづくりに打ち込む姿勢や、自分を誇らしく働いている姿が凄くカッコいいと思え、今まではセールスやマネジメントで携わってきたファッションに対し、「作り手側」の魅力に触れてみたいと興味が持てたのです。

 

そして、本当にその日その足で広尾から恵比寿のバンタンの校舎へ行って、「服作りが勉強したいです!」といって入学を決めました(笑)

 

 

 

──流石ですね笑 バンタンへ入学する前と入学後にギャップは無かったですか?

 

もちろんありました。でも悪いギャップじゃないです。一般的にイメージする「学校」って、先生が教科書と黒板を使って淡々と授業を行う形を想像されると思うのですが、バンタンはプロのクリエイターが授業を行ってくれる環境なので、技術や知識だけじゃなく、その技術や知識の先にある「本当に必要なこと」も与えてくれました。講師の方たちも授業内はもちろんですが、教えた事以外でも何でも聞いてねといったスタイルで、質問したらわかるまで付き合ってくれた事も本当に心強かったです。教えることにも、学ぶことにもモチベーションの高い方たちと取り組むクリエィティブな学びがバンタンにはあって、本当に服作りの魅力に触れる事が出来て、改めて作り手の方たちへのリスペクトを感じることも出来ました。

 

 

 

──在学中に服作りの学びの先に目指していたご活躍はありましたか?

 

私もオーダーメイドのブランドを立ち上げることも少し考えていました。ですが私はバンタンで服作りの魅力に触れた時、自分の活躍は「作る側」じゃなくて、「こんな素敵な服作りに取り組んでいる人たちに対して、私がしてあげられることって無いかな?」と考えたのです。今までファッション業界で築いてきたマネジメントの経験値から「広めていくこと」や「伝えていくこと」、「繋げていくこと」それがファッションにおける私の役割で、やりたいことだと気付いたのです。

 

 

日本には、ファッションに限らずとも本当に魅力的なモノ作りが沢山あって、その物作りをしたいと考える人も本当にたくさんいます。そんなスペシャリストが手掛けたブランドやモノを世の中に広めてあげて、届けたい人へ届けてあげることがしたいと思ったのです。

 

 

 

──学びから、改めての気づきがあったのですね

 

はい。私の適性がどっちにあったかも含めてではあるのですが、私の場合は自分が夢中でモノづくりに打ち込むことよりも、ファッションブランドをやりたいと思って一生懸命に取り組んでいる人を応援したいというか、マネジメント経験の後にバンタンで服作りの魅力に触れたからこその「気づき」がありました。

 

 

──その想いやモチベーションが現在のご活躍に直結しているのですね

 

はい。その後も動画アプリ開発の会社やInstagram運用をおこなう会社を経験しながら、自身の活躍の場を探していました。ファッションビルや渋谷駅直結の商業施設のInstagramの運用経験をさせて頂いたりする中で、小さなブランドさんのPRのお手伝いなどもさせていただいていたりしました。

 

その活動の中で、小さくではあるのですがパーソナルスタイリストのお仕事も手掛け始め、そうした活動のうちに「ユーザー(お客様)とブランドを繋ぐ」という今の基盤が少しずつ出来上がっていったのです。

 

その後、独立し「aboveu(アバーヴ)」としての活動を始め、最初は小さなブランドさんのコンサルタントから始めました。今では様々なブランドさんやモノづくりを手掛ける方達、またそれを求めるお客様たちと広く繋がりを持って活動をしています。

 

 

 

名前の「aboveu」のスペルは造語なのですが、

 

「少し上に」とか「その上の」って意味の「above」と、

 

「あなた」や自分自身を指す「(U(ユー、you)を組み合わせて「aboveu」としています。

 

「あなた(u=you)よりちょっと上(above)へ」という意味で、ファッションというクリエィティブを通して、「まだ見ぬ新しい自分と出会い、今よりもちょっと素敵になる」そんなライフスタイルの提案ができればとの考えをもって活動をしています。

 

 

 

aboveu(アバーヴ)の中で、私自身もパーソナルスタイリストを行っているのですが、スタイリストがブランドさん達の手掛けた商品と顧客を結ぶセールスのような役割も担い、お客様がいてこそブランドがあるので、その間をパーソナルスタイリストが繋いでいくという、「お客様とブランドとスタイリスト」の3者が自分らしい活躍ができて結ばれるプラットフォームを目指しています。

 

 

先日のイベント開催にもその想いがあって、オフラインイベントを通して今は小規模なブランドさんでもランウェイができて、そのイベントに参加したお客様に知ってもらえて、スタイリストさんもその場にいることで繋がれて、ライフスタイルを提案していくことが出来る機会を作りたかったんです。

 

 

 

 

私自身も、パーソナルスタイリストとして、「自己表現を可能にする場所」を衣食住の『衣』で作りたいという事も目標にして、「aboveu(アバーヴ)」を一つのプラットフォームとしてみんなが楽しめるエンターテイメントを作っていきたいと考えています。

 

半年に一回でもやれたらと考えていて、今度はVRとメタを交えての開催も構想中です!

 

 

ほかにも、一生懸命にブランドさんやデザイナーの方が手掛けた服が「長く大切に着られて欲しい」という想いもパーソナルスタイリストが確かな提案を行う事で、叶うようにとも考えていて、

 

今のファッション業界では「ファストファッション」と呼ばれる非常に大きな存在もあるけど、「本当に価値が感じられて、長く大切に着られるものが必要な分だけ生まれてくる」ことに魅力があると信じています。

 

逆にファストファッションが当たり前になって来たからこそ、改めて見つめ直せるキッカケがあっていいとも考えています。

 

 

──今後のご展望をお聞かせ下さい

 

本当に日本のモノづくりのチカラや考え方は素晴らしいので、海外へも「aboveu(アバーヴ)」から素敵な日本ブランドを広めていき、海外からのカルチャー的な評価である「日本っていいよね」な感覚を、「日本のファッションブランドっていいよね」って方向にファストファッション以外で、もっと感じてもらえるようにもしたいです。

 

 

 

──これからクリエィティブに挑戦したいと考える方達へメッセージをお願いします

 

そのクリエィティブが好きで、些細な興味であっても惹かれているなら絶対に早く始めた方がいいです。

 

悩まなくていいし、悩んでいる時間がもったいないと私は思います。本当にシンプルな考え方で、悩むなら好きなことを始めた先で自分の好きな分野の中に踏み込んでから悩んだ方がいいです。やったからこそ気づくことって、良いことも悪いことも絶対にあるに決まっていて、それこそが自分の成長の過程になると思います。一つずつ自分の得意や不得意が分かって、得意に気づけた時の嬉しさや素晴らしさもそうですし、不得意や苦手が見つかっても、それに気づくことが出来たなら、本当の自分を知ることが出来ますし次に必ず繋がります。

 

 

その「得意や好き」と「不得意と苦手」を握りしめて、「じゃあこれで、何をしようかな?」って自分らしく好きな世界(分野)で、等身大で向き合えると思います。

 

私もこの先でまた迷ったり悩んだり絶対しますし、それを上手に乗り越えた時でさえ、振り返って「これでいいのかな?」って思うかもしれないですけど、「自分が選んだ道を正解にする」っていう考えが私のポリシーでもあります。

 

 

これ、すごく感情的に聞こえるかもですけど実はものすごくシンプルで、

 

その選択の瞬間には感情はいらないし、自分を高く見せることも低く見せることも必要なくて、やりたいって思った感覚に素直にやってみて、そこでやってみた時に感じた事の中でだけ考えて、良いなら突き進んで、ダメなら次の選択肢を選んで進む。

 

もうただそれだけのシンプルなことをやってもらうだけで大丈夫です。

 

 

やってみたいと思っていたことってやらないでいると、結局またやってみたいと思うことってないですか

 

後回しにした時間だけチャンスは減るので、「今しかない」って思って動いてみて下さい!

 

 

 

 

PROFILE

 

徳田 阿希 Aki Tokuda

 

株式会社a b o v e u 代表/パーソナルスタイリスト

 

大学卒業後、日本のファッションブランドにて関西・関東・九州と、不採算店舗の立て直しや新店舗立ち上げなど全国の統括マネージャーとして活躍。後にIT業界やSNSマーケティングの仕事にも従事し、バンタンデザイン研究所キャリアカレッジで服作りを学び、パーソナルスタイリストとして独立。2021年「株式会社aboveu」を設立。ブランディングや、マーケティング、スタイリスト視点でブランドと消費者をつなぐ企画・提案を広く行い、『衣』の業界を盛り上げたいという想いから、『衣』に関わる事業活動を続けている

 

インスタグラム:https://www.instagram.com/aboveu_official/?hl=ja

 

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