バンタンデザイン研究所キャリアカレッジ大阪校在校生の三角峻介さんが、ご自身のアパレルブランドを立ち上げ、POPUPを開催いたしました!
記念すべき1回目のPOPUPで貴重なお話を伺ってまいりました!
───まずはブランドローンチとPOPUPの開催おめでとうございます!ブランド名【MISSMI】の由来とコンセプトを教えてください。
MISSMI は、「私を恋しく思うでしょう?」という意味を持つ”Miss me”というスラングと、僕の苗字であるMISUMIをかけ合わせた造語です。
昔から苗字で呼ばれることが多くて、すごく語呂が良くて気に入っていました。
そこで、苗字を活かしたブランド名を思いつきました。
服を手放そうとするその時、服自身が「恋しいでしょう?」と着用者に語りかけるような、愛を持った服でありたいと願いを込めて、この造語をブランド名としています。
また、コンセプトは”不易流行”です。
不易流行とは、いつまでも変わらない本質的なものを大事にしつつ、新しい変化も取り入れることです。
松尾芭蕉とその門人によって確立された俳句の作風である蕉風俳諧の理念の一つです。
「不易」とはいつまでも変わらないこと、「流行」は時代に応じて変化することで、明確な認識があると思われているものをリスペクトして、核は残したまま進化させ、より日常に馴染むように再提案するといったコンセプトです。
「こうあるべき」といった固定概念や、無意識に認識してしまうような物事をフラットに捉え、デザインするように心掛けています。
───MISSMIはどのような方に届けたいブランドですか?
10-20代の若い層に届けたいです。
ファッションが好きな人はもちろん、そこまで興味がない人、興味があるけど踏み出せない人に届いて欲しいです。
僕の目標は、誰かのファッションの原体験になることなので。
コムデギャルソンのようなアバンギャルドに自分が衝撃を受けたように、誰かが何かを始めるきっかけになれたら嬉しいです。
───今シーズンのテーマと何から着想を得ているか教えてください。
今シーズンのテーマは、“ORIGIN OF EXCITEMENT”(興奮の起源)です。
幼少期に経験した初期衝動から着想を得ました。
初めて、人の目に触れるクリエイションを行うとき、自分はどこで始まり、どこで終わるのかを深く考えました。
そこで、まずは原点から全てを始めようと。
映画監督マーティン・スコセッシの言葉に影響され、私は誰も知り得ないであろう最も個人的な思い出について考えました。
そして、”ORIGIN OF EXCITEMENT”(興奮の起源)と題されたシーズンテーマに辿り着きました。
誰にでもあった幼少期。
物事に対しての正解や適解を考えることなく育ってきた幼少期は、すでに忘れ去られ、我々は無意識に正解や適解を選ぶようになってしまいました。
年齢を重ねるにつれて、人生におけるいくつかの分岐点を経験して、無意識に当たり前になった正解や適解を選ぶことについて、ずっと違和感を感じていました。
例えば、大学四年生になったら就活をして、面接に合格するためにいっぱい嘘をついて、レールを外れないように生きていくこと。
それぞれにそれぞれの生き方があっていいはずなのに、みんな自分と他人を比べたがる。
自分の幼少期に原点回帰すると、そこにあるのは小さなウルトラマンフィギュアやブラウン管テレビに映った特撮ヒーローで、きっと、それが初めて熱中し、初めて心が躍った瞬間だったように思います。
これが、僕の何かを好きになる初期衝動でした。
キーワードに“KIDS AREBORN STARS”を掲げ、薄れゆく記憶を心にセーブをするように、幼少期に思いを馳せるプロダクトを制作しました。
確かに存在した、幼少期の無意識な輝きを忘れないように。
“KIDS ARE BORN STARS”というキーワードは、LAUVのALL 4 nothingに収録されている曲のタイトルから取りました。
子供は生まれながらにして星(スター)だというこのワードに心を掴まれ、引用しました。
ファッションデザインは、ミスと捉えられるデザインも正解だったりする時があります。
それが、幼少期の深く考えずに育ってきた経験と同じ部分があると考え、デザインに落とし込みました。
▼キーワードの”KIDS AREBORN STARS”が記載されたシャツとパンツ
───イチオシのアイテムを教えてください。
フィギュアデニムがイチオシです。
その名の通り、ウルトラマンのソフビをトレースしています。
生地は13ozの厚いデニムを使用し、上部分には銀箔加工を施しています。
ファスナーによって上下が分かれるデザインと、単に切り替えになっているものの2つのデザインを展開しています。
経年変化によってソフビの塗装が落ちていくように、銀箔加工も経年変化で銀箔が剥がれ、デニムの色も抜けていきます。
そのため、その人だけの風合いが生まれます。
デニムが好きな人は洗わない人も多いですが、このデニムは加工していながらも、洗濯出来るのも魅力です。
▼フィギュアデニム
───ポップアップ実施のきっかけや、こだわったことをお聞かせください。
登山が好きで、よく大学の友人と山に行き、中華を食べ、銭湯に行くというルーティーンをしていました。
その時に、オンラインで古着屋をしている友人にイベントを一緒にやりたいと言う話を頂きました。
友達の友達が繋がったり、普段出会わなかったような人とも出会える機会や場所を作りたいという友人の思いに僕が共鳴し、このイベントが生まれました。
こだわったことは、会場選びと空間づくりです。
日の光が差して、暖かい場所。
そして、みんながゆったりできそうな場所と空間づくりを意識しました。
店内にはレコードを設置し、時間の流れをゆったりと感じられるように心がけました。
古着とファッションブランドのみの展示になると、よくあるイベントになりがちなので、かっこいい写真を撮る友人にも声をかけ、複合型のファッションイベントにしました。
───多くのお客様がいらっしゃっていましたが反響はいかがでしたでしょうか?
ありがたいことに沢山の人が来てくれて、初めてにしては充分すぎるくらいの量が売れました。
応援してくれる人に最大の恩返しができるように、これからもっと頑張っていきたいです。
▼POPUPの様子
───バンタンでの学びを選ばれたきっかけを教えてください。
高校生の頃からファッションに興味があったものの、決心がつかず、大学に進学しました。
次第に自分の人生について考えるようになって、自分のやりたいことについて熱量を注いでみたいと思ったからです。
ダブルスクールさせてもらえるよう、1年くらい両親を説得しました。
───入学前はどのようなことをされていましたか?
ひたすらインプットの機会を増やしていました。
好きだったのもありますが、美術館に行ったり、写真家や様々なアーティストの展示に足を運んでいました。
───授業で身についたスキルや役に立っている点を教えて下さい。
デザインのアプローチは役立っています。
講師がきちんと酷評してくれる点がとてもいいです。
いいねと言ってくれる人は多いですが、もっとこうした方がいい、これの方がやりたいことがわかるよと言ってくれる人は少ないです。
───印象に残っている授業などはございますか?
仕様書の授業が印象的でした。
一年制という短い時間のコースで、一番知りたいところを教えてくれました。
───入学してよかったと思う点などあれば教えて下さい。
本当に仲がいい友達が増えました!
他コースで出会った友達はかけがえのない関係です。
───今回のポスターはフォトコースの在学生が撮影したとのことですが、撮影に至った経緯を教えてください!
学内コンテストのバンタンカッティングエッジに出場して、その流れで機会をいただき、ルックを撮影してもらいました。
※カッティングエッジ:学内で行われるコンペを通過した人だけが出場できるファッション・ヘアメイクショー展示会のこと。
▼フォトグラフィ速習コースの在学生が撮影したポスター
───今後ブランドで挑戦したいことを教えてください!
もっと本格的に工場を通したりして、きちんとしたビジネスにしていきたいです。
オリジナルでテキスタイルを作ったり、地方ごとの特色を利用して、日本でしかできないものづくりをしていきたいです。
ゆくゆくの最終的な目標は、東京コレクション参加です。
いつか、大きい規模でショーをやりたいです。
ものすごく高い目標ですが、人の心を動かせるものづくりがしたいです。
また、もっと広義的な意味でファッションを捉え、他の表現方法にも挑戦したいと考えています。
───これからファッションの道を目指す方に向けてのメッセージをいただきたいです。
ファッションは簡単ではないし、厳しい世界だと、アマチュアな僕でも感じます。
でも、人との繋がりを深く感じることができたり、人間らしさを与えてくれるものでもあります。
一人前でもないような立場で、言えることではないですが、人の意見を聞くこともものすごく大事ですが、まずは自分の直感を信じることが大切だといつも思っています。
自分が好きだと感じた瞬間や心が動いた瞬間を大切に守ることがいいと思います。
自分が好きだと感じた瞬間や心が動いた瞬間を一番大切にして、「悩んだらアクションする」です。
あとは、クリエイションする時は、嘘をつかないことです。
嘘はやがて下心になり、デザインに浅さを与えてしまいます。
自分も何度かそんな経験があったので、クリエイションに向かい合うときは、正直にいようと心がけています。
【PROFILE】
2002年生まれ。和歌山県出身。
高校生の頃に、書店で読んだファッション雑誌がきっかけで徐々にファッションに興味を持ち始める。
大学に進学するも、社会学を学ぶ中でファッションへの憧れが強くなり、大学三年時にバンタンに入学。
在学中にMISSMI立ち上げに至る。
入学半年後にバンタンカッティングエッジファイナリストに入賞。
2024年2月複合型ファッションイベント「BIOTOPE」を主催。
※カッティングエッジ:学内で行われるコンペを通過した人だけが出場できるファッション・ヘアメイクショー展示会のこと。
在学中にご自身のブランドを立ち上げられた三角さん!
積極的に他コースとの交流を図り、ご自身の可能性を広げようとする姿勢が素晴らしいですね!!
三角さんの今後のご活躍から目が離せません!!
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